目の外傷あれこれ
目の外傷は他の部位と比べて後遺症を残しやすく、学齢が上がるほど重症例の割合が増加することが知られています。けがをした時の状況と目の状態を冷静に判断して、適切に対応することが大切です。
①異物が入ったとき
砂、虫、ごみなどが目に入ったときは、こすらずにまず流水で目を洗いましょう。
異物が残っている可能性がありますので、ゴロゴロした感じが続いたり、目ヤニや涙、結膜(白目の充血などがある場合には、眼科を受診して下さい。
②石灰、洗剤や漂白剤、化学薬品などが目に入ったとき
角膜(黒目)や結膜といった目の表面の組織に障害を起こす危険性があります。一番大切なことは、痛いですが頑張って、速やかに流水で最低10分間程度洗眼をすることです。それから直ちに眼科を受診して下さい。目に入った洗剤・薬品などの名前が分かれば、医師に知らせて下さい。特に水酸化ナトリウムなどのアルカリ性薬品は、角膜や結膜に火傷を起こし、重症の場合には目の表面だけにとどまらず、目の内部にまでしみ込んで視力障害を残すことがあります。
③目を打撲したとき
目を強く打ったときは、虹彩(茶目)が見えなくなるほど出血したり、眼球内の網膜が腫れたり穴があいてしまうことがあります。また、野球のボールやこぶし・肘が強くあたったときには、眼球の障害だけでなく眼球のまわりの骨が骨折していることもあります。まゆ毛の外側やこめかみを強く打ったときは、視神経に障害を起こして失明することもあります。打撲して間もないときには、まぶたが腫れて眼球が隠れ、けがの状態が分からない場合がありますので、すぐに眼科で詳しい検査を受ける必要があります。
④物が刺さったとき
とがった物が目に刺さったり、木の枝等で目を突いたりしたときは、無理に目を開けようとしてはいけません。目から出血しているときや、温かい涙が出ていると感じるときには眼球が破裂している可能性があり、感染や失明の危険もあります。湿らせたガーゼを軽くまぶたにあてるなどしてから、直ちに眼科を受診しましょう。